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プロフィール
めろ

2011年01月11日

をりとりて

俳句のことを少しまじめに・・・

俳句をはじめたのは6〜7年前。
小学校の頃に家族で百人一首をしていたおかげで
和歌や狂歌や都都逸には馴染んでいました。
俳句にも違和感はなかったのですが
なんとなく遠ざけていました。

仕事がてら運転時間が長いので
ラジオをよく聞きますが
結構、短歌や俳句の番組は多いんです。
で、これなら作れますぜ。
と調子に乗って作った俳句を
とある俳句総合雑誌におくったところ
見事に載ったではないですか!

 葱坊主ひとつにひとつの根っこかな

この句でした。
たいしたものでした。
しょっぱなの句に「かな」という
切れ字をつかうなんぞ、まるで将来がバラ色です。
これも百人一首のおかげです。

で、その後俳句の勉強をすこしずつ始めて
おぼろげながら生涯の目標とする句を見つけました。

 をりとりてはらりとおもきすすきかな  飯田蛇笏

こういう発見は誰にでもあると思いますが
それを言葉にできる人はそう居るものではありません。
この句の調べのよさ、リズムのよさに惚れ惚れします。

「り」の音を最初に繰り返す事によって
緩やかな抑揚ができ、読み手の脳を
心地よく軽く刺激します。
そして極めつけが「はらり」のひとことです。

「はらり」には感動がブラックホールのように
凝縮され、質量は指先に100tです。
この句の「はらり」には「どきり、ひらり、さらり、きらり・・」
様々な言葉の要素が含まれています。
そして、乾いているはずのすすきの
「湿り」まで感じてきます。
まさにことばのマジックです。

普段感じることのないすすきの重さまで
この「はらり」が表現しているのです。

凡人は
「手にとりてすすきに重さありにけり」
とでもやって、これぞ傑作!と息巻くことでしようが
俳句に限らず、表現というのは
これからが勝負なのです。
それが、次の段階へ行けるか行けないかの境なのだ!
という事を教えてもらえる句なのであります。



  

Posted by めろ at 23:17Comments(0)俳句